2008年01月05日

民法の演習書

 新司法試験や法科大学院入試に対応したような形の民事法の演習書はないかという相談を受けたことがあります。複雑な事例から事実を拾って論述させるような形式に対応出来るような演習書はなかなか見あたらないとおもいますが、とりあえず以下の書籍は有用と思われます。

民事事実認定関係




 論点が複雑にからみあった形式の演習書としては、以下のものがあります。






事実関係を拾うには要件事実の知識が必要ですが、以下の本が良いと思います。



要件事実の演習には、以下の問題集しか思い当たりません。


この問題集の著者が書いた「要件事実マニュアル」です。辞書的に使うのがよいでしょう。







法科大学院入試・新司法試験 推奨参考書 民法2(家族法)

家族法の基本書・コンメンタールなどについて推奨できるものを挙げます。財産法分野に掲げたものと重複するものもあることをご了解下さい。
 内田貴先生の民法W



 内田先生は東京大学教授ですが、関西系で有名な家族法学者の基本書といえば、これでしょう。


以下は、相続法分野だけのモノグラフですが、かなり良い本だと思います。


判例百選です。



なお、我妻・有泉コンメンタールは財産法分野だけが改訂されて出版されていますが、家族法のコンメンタールとして信頼できるのは以下の基本法コンメンタールでしょう。





なお、家族法だけをコンパクトにまとめてある本としては、以下の2冊が挙げられます。上の有斐閣アルマの親族・相続の著者の松川正毅教授は、大阪大法科大学院長で、旧司法試験考査委員をされておられます。












法科大学院入試・新司法試験 推奨参考書・憲法(体系書中心)

 憲法の基本書で推奨できるものといえば、試験対策としてはなんと言っても「結論が無難」なものでしょうか。憲法解釈は法学のうちでも個々人の価値観やイデオロギーが直接に反映される分野ですので、あまりマイナーな異説を採っている本は試験対策としてはふさわしくないと思います。
 その観点からいえば、何と言っても芦部説は芦部先生がお亡くなりになった今でも憲法の通説でしょう。
お弟子さんの高橋和之教授が補訂しているので、情報の新しさという点からは問題ないでしょう。


 副読本として、「憲法判例を読む」は欠かせないと思います。


憲法の学習には判例は欠かせませんので、判例百選も必携でしょう。




とにかく重要な判例だけコンパクトに押さえたいという方は、以下の新書版の判例集がお薦めです。ただし、近年数年の判例はフォローされていないので、その分は判例百選や有斐閣の重要判例解説(年度版)などで押さえる必要があります。


重要判例解説へのリンクも貼っておきます。









なお、芦部説以外の基本書もいくつか挙げておきます。「無難な」試験にふさわしい説として有名なのは、元最高裁判事の伊藤正巳教授の説でしょう。




 後者の有斐閣双書の憲法入門は、概略を押さえるのには十分だと思います。
 以下は、司法試験受験生の愛用者が多い佐藤幸治教授の本です。



以下は、東北大学の辻村みよ子教授の本です。辻村説はプープル主権論を採られるなど、やや通説からははずれたご見解を採っておられますが、新司法試験考査委員をしておられますし、通説的見解にも十分に言及しておられます。また、辻村「憲法」は判例が充実しているので、これだけでも相当な判例に関する知識が涵養できるでしょう。初学者には芦部憲法よりもこちらの方がよいかもしれません。






2008年01月04日

法科大学院入試・新司法試験用推奨参考書民法(財産法中心)

後輩から、「基本書の選び方が分からない」「予備校本だけでよいのか」という質問を受けて、「どんな本を使っているの」と聞いたところ、いわゆる体系書は一冊も読んだことがない、あるいは課題を課せらるたびに場当たり的に本を読んでいるというような答えが返ってきて、驚いたことがありました。
 法科大学院入試受験生や、新司法試験を目指している法科大学院生であれば、法律実務家の登用試験を目指しているわけですから、やはりそれなりの学者の著作を、じっくりと時間をかけて読破することが必要なのではないでしょうか。今後は、こちらの記事で私が良いと思った参考書(基本書・判例集など)を紹介していくことにします。
 基本書一般について、私が選ぶ際に基準にしている事は以下の通りです。
○定評のある学者の著作であること:誰が書いているのか分からない ような本が予備校本の中にはありますが、そのようなものの中には アルバイトの受験生(合格者ですらない!!)に体系書を切り貼り させたようなものもあるそうです。そのようなものもあるそうなの で、信頼を置いて勉強する本には著名な学者(司法試験考査委員な ど)が書いたきちんとした物を選んだ方がよいでしょう。もちろ  ん、予備校教材を全面的に否定するわけではありません。
○出版年あるいは改訂年度ができるだけ新しいものであること:最近 は法改正が激しく、また出たばかりの重要判例もすぐ試験の素材に なっているようですので、初版があまりにも古く、かつ改訂されて いないような本を基軸に据えるのはやめた方がよいでしょう。もち ろんそのような本であっても学術的な価値が高いものはあるので、 部分的に参照することはありうることですが。
○ある程度の厚みがあるものであること(これは科目の特性にもより ますが):基軸に据える本は、ある程度詳細な記述がある方が最初 に読むにはシンドイかもしれませんが、後になってしっかりとした 理解が身に付くことになります。薄い本では行間を読まねばならな い事があるので、かえって理解しにくいことがあります。

 では、さっそく私が推奨できる民法の基本書を紹介することにします。
大村敦志著 基本民法T〜V 有斐閣






 東京大学の大村先生の基本民法シリーズは、基本的な枠組みを押させるのに良いと思います。章ごとにまとめや重要なキーワードのフレーズがついているので、初学者が読む際の足ががりとなります。この本程度を押さえてから、いわゆる内田民法(内田貴先生の民法1〜4)に入る方がよいのではないでしょうか。









 民法全体を手早く見渡せる本としては、最近京都大学の潮見先生がお書きになられた本があります。その他に、以下のようなものもあります。









 判例集については、民法判例百選が有名ですが、体系的に網羅されているのは次のものが良いと思います。







民法判例百選へのリンクも貼っておきます。







なお、判例のエッセンスだけをコンパクトに押さえているものとしては、以下のものがお薦めです。



 なお、実務で今なお愛用されているのは、戦後民法の神様と言われた我妻榮博士の民法講義(通称「我妻講義」)ですが、長らく改訂されていないので、最近の法改正や判例はフォローしていません。が、古典的名著なので、図書館等で参照されると良いと思います。












これらは実務家になったら必携だそうです。
この我妻講義のエッセンスを凝縮したコンメンタールが「我妻・有泉コンメンタール民法」です。こちらは近年の法改正に対応しているので、受験生が利用するのには便利です(少し高いかもしれませんが、それだけの値打ちはあると思います)。



「我妻説」を初学者むけに実況中継形式で書いたものが「民法案内」です。こちらも我妻博士亡き後お弟子さんの先生が補訂しておられるので、近年の法改正にも対応しています。民法に苦手意識を有している方はこちらを「読み物」として読むのが良いかもしれません。













「我妻講義」をコンパクトにしたものとしては、いわゆる「ダットサン民法」といわれるシリーズがあります。こちらも近年の法改正に対応しています。大村敦志先生の「基本民法」と同様のレベルですが、通説的見解を押さえるにはこちらの方がよいかもしれません。







家族法については、こちらで挙げた本の他に、また別の機会に紹介したいと思います。




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